なぜ悪い習慣がやめられないのか~脱出のための3ステップ~

 

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以前に習慣づけやデバイアスの話で触れましたが、

今回は

悪い習慣が辞められない理由

そして

悪い習慣を止めるための方法

について取り上げていきます。

こういう内容は定期的に振り返っておいたほうがいいですからね。

 

まずきっかけは

メンタリストSaiさんのこちらの動画


悪習慣を断ち切り、誰でも簡単に行動力をあげることの出来る科学的アプローチ法

この動画では、

・人が悪い習慣を止められない理由

・行動力を上げるための方法

が説明されていました。

現状維持バイアスについて振り返るにはいい動画でしたね。

しかし結局

悪い習慣を止める方法

については紹介されませんでした。

そもそも

悪い行動に日常が汚染されていることによって

望ましい行動がとれなくなってしまっているので、

この点を抑えておこうと思ったわけです。

 

<悪い習慣がやめられない理由>

なぜ人が変わることができないのか
という話に近いですね。

 

・頭では禁煙したほうがいいことが分かっている
→実際にはやめられない

 

・転職したら給料が上がることは知っている
→なかなか行動できない

 

というのはよくある話。

なぜなら人間は

楽をしたがる生き物

だからです。

 

<行動を制限してしまうバイアス>

これを説明するには、

現状維持バイアス

について話さなければいけません。

バイアスというのは偏見・偏りのこと。

簡単に言えば、

人間は変化を嫌がるように

脳にプログラムされている

という理論です。

ダニエル・カーネマンが広めた

・人間は得をする快楽より

 損をする痛みの方が倍ぐらい嫌がる

という特性によるものです。

人間はどのようにして意思決定をするのか

ということをフォーカスして研究しているんですね。

この理論は

投資などで合理的な判断を下すために

絶対に知っておくべきこと

として有名です。

 『ダニエル・カーネマン心理学と経済を語る』

 

<人間はなぜ変化を嫌うのか>

人間が現状維持バイアスに支配されてしまう理由は、

大昔の人間の暮らしの仕方にあります。

昔は、周りの環境が人間にとって優しいものではなく、

新しいことにチャレンジしたものはすぐに死んでしまいました。

 

例1:新しい場所に行ってみよう→猛獣に襲われる

例2:知らないキノコを食べてみよう→毒で死亡

 

昔はリスクをとらない人間のほうが生き残れたんですね。

そんなわけで現状維持バイアスは、

人類が生き延びるために備わった脳の機能

ということです。

 

現状維持バイアスを利用しよう>

しかし現在は違いますね。

現代では、失敗しても死ぬことはないので、

進んで挑戦し、たくさん失敗することが大事です。

ジョフベジョス、孫正義本田圭佑さんなどの本を読んでみると、

たくさん挑戦して、たくさん失敗してされてる様子を見習うことが出来ます。

現状維持バイアスのプログラムを認識して、
大昔の脳を意識して乗り越える必要があるのです。

 

Saiさんがオススメしていたのは、

『5分だけやる作戦』

です。

どんなに面倒くさくても、

とにかく5分だけやってみるのです。

なぜなら

一度やり始めると

その行動に現状維持バイアスが働く

からです。

結果、5分を超えて望ましい行動ができるようになるわけですね。

この5分だけやる作戦は日頃から意識しておくといいでしょう。

 

<悪い習慣を止めるための方法>

さて、

行動力を高めるためには、

 悪い習慣を止めることが大切ですが、

これについてはちょっと調べただけで大量の研究論文がヒットしました。

書籍についても色んな本が出てますね。

私がよいと思ったのはこちら

 『やってのける』

 悪習慣を断ち切るための方法として、

科学的に最も正しいとされる

「if-thenプランニング」について詳しく解説されています

 とはいえこれについて

詳しく取り上げると膨大な量になってしまいますので、

 

今回は

悪習慣の断ち切り方を

具体的な3ステップでまとめてみました。

 

①トリガーを見つけて排除する

悪い習慣に限らず、

あらゆる習慣は何らかの

トリガー(きっかけ)によって

行動が引き起こされて発生しています。

 

例 (きっかけ    →  行動)

手元にスマホがある  →  アプリゲームをしてしまう

お菓子が目に入る   →  つい食べてしまう

勉強に疲れた     →  メールを確認してしまう

ムシャクシャする   →  お酒を飲んでしまう

 

 よってまず必要なのは

悪い習慣のトリガーを把握することです。

一度メモを用意して、

・自分が直したい習慣

・そのトリガー(必ずあります)

を書き出してみましょう。

 さてこのトリガーには2種類あり、

・物理的なもの

・感情的なもの

に分けられます。

 

「お菓子が目に入る」

「手元にスマホがある」

 

といった物理的なものに関しては、

排除するのが第一のステップです。

あれば食べてしまうのでしたら、

お菓子の買い置きをやめればいいですね、

 

「いやいや、

 スマホを捨てる訳にはいかないし」

 

というものもありますが、

その場合は

その行動をするための

手間を20秒増やす

というのが有効です。

・集中したい時には

 スマホを箱の中にしまって鍵をかけておく

スマホゲームのアプリを

 フォルダの奥の奥の奥に移動させておく

 

などですね。

これはハーバード大学のショーンウェイカー博士の本で提唱された

20秒ルールというやつです。

 

 気になる方は読んでみるといいでしょう。

 『幸福優位の7つの法則』

 

 そんなわけで

物理的なトリガーを取り除く環境設定が

第一ステップです。

しかし

・どうしてもタバコが吸いたくなる

・ムシャクシャした時は甘い物を食べたくなる

など感情的なトリガーについては

なかなか除外することが難しいです。

そこで第二ステップに進みます。

 

2.感情を観察してコントロールする

 禁煙などのケースで多いのですが、

人間は

禁止されていると

それに対する欲求が大きくなります

タバコを禁止と言われれば言われるほど

タバコに対する欲求が強まってしまうのです。

禁止されたことによるストレスを受けた人間は欲求に弱くなり、

失敗することによって挫折を繰り返します。

それによって悪い習慣を断ち切るための自己肯定感が下がり、

ますます悪い行動に走りやすくなるのです。

 

完全な悪循環と言えるでしょう。

 

 そんなループに陥ってる人は特に

 

・行動を禁止しせず

・その時の感情を観察する

 

ようにしましょう。

これに似た研究は

『逆説的介入』

https://psycnet.apa.org/record/1987-16313-001

 として、

一般的な禁煙方法の倍の効果が報告されています。

 

感情に振り回されるのではなく、

一歩引いて感情を観察すると、

・欲求を未然に防ぐ方法が見えたり、

・欲求の波が小さくなってきたり、

・代わりとなる行動を見つけることができたりします。

 

 

 

3.悪い習慣はすぐに消えないと理解する

 悪い習慣をなかなか直せない一番多いケースとしては、

挫折を繰り返すと自己肯定感が下がり

もうどうにでもなれ効果が発動してしまうパターンです。

 

悪い習慣は

すぐに完全に断ち切れるわけではない

 

ということを覚えておくことが大事です。

 

ロンドン大学の研究では、

悪い習慣を治すには、

平均66日かかるという結果が出ています。

悪い習慣が消えないのは脳の習性であり、

あなたの意志の弱さのせいではないのです。

 

まず失敗しない小さな改善からやってみましょう。

 

①代替行動を取ってみる

例:甘いお菓子を食べてしまう→代わりにナッツを食べる

②やらない時間の数字を増やしていく

例:この10分はスマホを使わない、と決めて実行し、少しずつ増やしていく。

③悪い行動を禁止するのではなく、この時間にやると決めてみる

例:1週間のうちにこの日だけはどんなに甘いものを食べていいと予め決めてみる

 

 感情と向き合うことができれば、

色んな工夫をしながら改善していくことが出来るでしょう。

 

<今回のポイント>

現状維持バイアスを自覚する

・5分だけやってみる作戦を実行する

・悪習慣を分析して撃退していく

 

如何でしたか?

ここまで読んでくださった方の何らかの役に立てたなら幸いです。

今回の悪習慣を断ち切る方法については、

面白い研究が見つかったら今後も取り上げていきたいですね。

 

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