新型コロナウィルス対策としての換気
<正しい換気の方法>
コロナウィルスのクラスター発生(集団感染)の予防策として、
「換気」についての見解が
空気調和・衛生工学会から出されていたので共有します。
こういった情報は歪めて伝えてしまうのが怖いので、
できるだけ淡々と書きますが、
時間のある方は念の為原文も見ておいて欲しいです。
『新型コロナウイルス感染症制御における「換気」に関して 緊急会長談話』
<見解が出された経緯>
2020年3月に厚生労働省の専門家会議で報告された新型コロナの感染条件として
「換気の悪い密閉空間」
という記述があったため、
日本建築学会や空気調和・衛生工学会が見解を示す流れとなったようです。
「イベントや集会で3つの「密」が重ならないように工夫しましょう」(厚生労働省チラシから引用)
<空気感染について>
「空気感染しないなら関係ないんじゃない?」
と思う人も出てきそうですが、
・主な感染経路は皮膜感染と接触感染だが、空気感染の可能性が無いわけではない
・最新の研究では空気中のウィルスがエアロゾルという状態(微粒子の状態で空気中を漂っている)で3時間生き続けるという報告も出ていて、空気感染のリスクは依然存在する
ということのようです。
3つの条件が重なった場合にクラスター発生のリスクが有るなら、
換気を徹底することでかなりのリスクを下げることが出来る
ということになります。
密集場所や密接場面というのは、
個々の注意で避ける要素が大きいですが、
換気については管理側が主導で行うことが出来る
というのもポイントですね。
実際、学校では先生たちに換気の徹底が指導されているようです。
<正しい換気法>
厚生省の呼びかけでは、
・可能なら2方向の窓を同時に開けての換気を奨励する。
・どの程度の換気が充分であるかのエビデンスはまだない。
となっています。
よって今回の報告も、
「これをしておけば絶対に大丈夫」というものではありません。
①換気回数について
「換気回数2回/時」という言葉を見ることがありますが、
これは「1時間に2回換気する」という意味ではなくて、
空気の入れ替わりのスピードを表す指標です。
現在はまだエビデンスがありませんが、
どれだけの換気量があればコロナウィルス対策が有効であるか
の表明がされた場合、
計算して見る価値はありそうです。
②自然換気と機械換気
機械による換気も有効です。
・機械換気は有効だが、給気口付近に物が置いていないか再度確認する。
・自動車などでは内気循環モードではなく、外気を取り入れるモードにすること。
基本的に空気の流れをつくるには
通気口は小さく開けて排気口は大きく開ける
ことによってスムーズに排気が行えると言われているので、
これを意識するといいですね。
③エアコンと換気
通常の家庭用エアコンは空気の循環を行っていません。
エアコンが付いているからと安心するのではなく、
窓を開けたり換気モードにしたりして対策が必要です。
④空気清浄機
一般的な空気清浄機がコロナウィルス対策に効くかは不明です。
空気清浄機がついていても、換気も適度に行ってください。
<まとめ>
・換気はウィルス対策として意味がある
・2箇所以上の換気で空気の流れを作ること
・エアコンや空気清浄機に過信せず、外気を取り入れる
・適正な換気量が発表されたら換気回数を計算してみる
今回は以上です。
はっきりとした指標がないので、
どれだけ換気すればいいのか歯がゆいところですが、
私達の判断で対策していける部分については気にかけていきたいですね。