相手の好みに合わせると不幸になる理由【人に好かれる性格と行動】
<相手に好かれるために>
恋愛であっても、仕事相手であっても、新しい友人であっても、
大抵の人は
「相手の好みに合わせると好かれるだろう」
と考えがちですが、
「相手の好みに合わせようとするとむしろ失敗する」
という研究がパレオな男で紹介されていたので関連研究をまとめてみました。
こういった話題は定期的に取り上げて、
自分の行動を振り返るきっかけにしていきましょう。
この記事からわかること
・好かれようとすると失敗する理由
・正しい自己開示の方法
<好かれようとすると評価が下がる>
今回話題になった研究は2020年1月のもの。
著者は「イヤなやつほど仕事ができる」の著者フランチェスカ・ジーノ氏ほか2名
5つの研究から人の行動が相手の印象に与える影響を調べたものです。
(研究1)
約450人の成人男女に就職面接やビジネスでの売り込みをシミュレートしてもらったところ、
約70%が「相手の好みに合わせることが大切」という考えを示した。
(研究2~3)
実際に面接を行うor動画を撮影するなどして起業家に合否を判定してもらい、
「相手の好みに合わせること」が有効なのか分析したところ…
①審査員の好みを意識せずにプレゼンを行ったものが勝ち抜く可能性は3倍も高かった
②素の自分をアピールしたものは相手に合わせようとしたものよりも採用率が約25%高かった
という結果となった。
(研究4~5)
面接やプレゼン時の被験者のパフォーマンスを調べたところ、
「相手の好みに合わせよう」
と考えて振る舞おうと意識することで、
その人本来のパフォーマンスが抑えられてしまっている可能性があることが分かった。
素の自分で勝負しようとしている人に比べ、
相手の好みに合わせようとしている人は不安レベルが高い傾向にあり、
これもまた本来のパフォーマンスを落としている原因であると考えられる。
総合的に見ると
・多くの人は「相手の好みに合わせることは有効だ」と考えている
・しかし相手の好みに合わせようとする行為は不安や注意力の低下を生み、自信の無さを相手に与えてしまう
・相手に合わせようとするのであはなく、素の自分で接したほうが周囲への評価は高くなる
ということですね。
「好かれよう」として自分らしくない行動や言動をすることのデメリットは思ったより大きいようです。
<弱さや恥をさらけ出したほうがいい>
今回の研究に似た主張をしているのがマンハイム大学の研究です。
こちらは2018年に数百人を対象に
「愛を告白する」
「自分の欠陥を明らかにする」
「助けを求める」
といった自分の弱さを相手にみせるといった行動が相手にどんな印象を与え、
どのような人間関係に結びつくのかを7つの研究で調べたもの。
その結果
・弱さやみっともない姿を見せた本人は「自分は弱くて能力が低い」と感じた
・それを受けた人は「この人は優しい人だ」「強さと勇気を感じる」と回答した
というように、
自己と他者で認識に大きな差が確認されたのです。
研究者も以下のような見解を述べています。
・過去の研究から見ても弱さを表現することは人間関係において有益である場合が多い。
・弱さを見せれば信頼関係を築くことが出来る。
・助けを求めれば学習を促進することが出来る。
・間違いを認めればそこに許しが生まれる。
・恋愛関係を告白できれば新しい関係を生み出すことが出来る
この弱さをさらけ出す行為は、
外交的な性格になるための行動
としても以前に紹介したもので、
やはり相手とのよりよい関係を結んでいくために有効な手段であるようです。
もちろん、
自分の弱みばかりを押し出す行為はNGですよ。
・有能な人間がドジをすると好感を持たれ
・無能な人間がドジをすると嫌悪感を持たれる
という傾向があることが分かっています。
自分の弱さをなにかの言い訳にするのではなく、
「苦手なことがあるから出来るところで助け合おう」
「恥をかいたから次はそうならないように努力しよう」
という姿勢が大切です。