【脳神経科学的「説得術」~相手の脳にYESを刻み込む方法~】から学ぶ
<説得術の要素>
相手を説得する方法について、
何度か紹介していますが、
今回は
説得を効果的にするための要素
の話です。
以前メンタリストDaiGoさんが
説得術の本について紹介されており、
興味はあったのですが…
今回、
日本語版が出ているのを見つけたので読んでみました。
リンク
著者はロンドン大学の脳神経学者、ターリ・シャーロット博士です。
脳神経科学の文献研究をもとにした内容で、
人の心の性質について述べた後、
人間を説得するのに必要なのはなんなのかについて書かれています。
今回はDaiGoさんが言っていた説得の要素について
紹介しておきます。
これを知っておくだけで、
相手を説得するときの手間が格段に減るでしょう。
①事実では人を説得できない
第1章丸々を使っての内容です。
様々なデータから
「相手を説得する場合に、公平な事実を与えたとしても
人間は意見を変えないことが多い」
ということが書かれています。
・自分の意見に有利な事実
・自分の意見に不利な事実
がある場合に、
有利な方を取ってしまうんですよね。
特に賢い人ほど不利な意見の反論を想起しやすいため、
自分の意見に固執する傾向にあるようです。
②まずは感情・心情を同期させること
これについてはDaiGoさんも
ブライヤービリーブ(相手の思想信条に合うようにする)
や
エモーショナルシンク(感情を同期することで分かりあえる)
といった言葉で説明されていました。
外敵から逃れ安全に生きていくための構造として、
人間の脳は新しいことを拒否するように出来ています。
しかし
自分の信念に即して受け入れてきた情報は
脳の警戒心が下がり
積極的に受け入れようとしてしまう傾向にあるのです!
よって
☆相手がイメージしやすい内容で例を出す!
☆相手が賛成しやすい情報を最初に出すこと!
相手の信条に反するところから入るのはNG
まずは警戒を解くところから始めましょう
有効なのは感情の共有で、
一緒に楽しめる映画
を見たり
共感して盛り上がれる話題
を選んだりすることで、
説得に対する抵抗感をかなり減らすことができるようです。
③インセンティブ(ご褒美)を用意する
さらに、報酬を用意することで説得の成功率が上がります
ただし
相手の脳が報酬を感じるようにすればいいので
ゲーム化などして数値を得るなどでもいいのです。
言葉を変えるならメリットですね。
・害があるからと望ましくない行動を止める
よりも
・利があるからと望ましい行動をさせる
事の方が、遥かに簡単ですから。
④不安の影響・安心の影響
③に似た心の影響として、
人間は不安な時は行動しなくなります。
これは相手の行動を止めさせる方向に説得したい場合は、
不安を煽り、デメリットを提示することで、
思いとどまらせることが出来ます。
行動させたい時→安心させる
行動を止めさせたい時→不安にさせる
の法則を覚えておきましょう。
⑤コントロール感(主体性)を持たせる
人間は何かをコントロールしていると思いたい傾向にあります。
下手に出つつも相手に選ばせることで説得力が上がります
これについては
前回紹介したBYAF法がまさにこのテクニックです。
どんなに良い条件であっても、
それが押し付けではいけません。
人は自分がコントロールできていると感じる場合に幸福感を得る
ことを知っておきましょう。
⑥好奇心を刺激する
人間の脳はネガティブな情報から離れようとする傾向にあります。
→HIVの検診を勧めても実際に行く人が少ないのはこのためですね。
逆に「なんだろう」と思ってしまうフレーズが有効で
自分が予測できる内容と提示されたものにギャップがある場合反応してしまいます
情報の一部分をぼかしたり強調したりして好奇心を刺激しましょう。
参考になるのはYoutubeで再生数が急上昇している動画の
タイトルやサムネイルです。
相手の好奇心を刺激する言い回しやキャッチフレーズを知っておきましょう。
⑦ソーシャルビヘイブ(社会的行動)
人間は赤ちゃんのときから、
周りの人間の意見に左右されてしまいます。
しかも自覚がないことが多いのです。
ついつい専門家の意見より大多数の素人の意見を採用しがちなのがそれですね。
基本的に人を遠ざけるのは難しいので、せめて自覚しておきましょう
<おわりに>
今回は以上です。
人間の心の仕組みについては、
『影響力の武器』という本がダントツでオススメですので、
興味を持った方は読んでみては如何でしょう。
『影響力の武器 コミック版』
なんと漫画版が出たようです。
こちらならより手を出しやすそうですね。