ヨーグルトは積極的に食べるべきなのか【栄養価と危険性】

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<ヨーグルトは体にいい?わるい?>

最近ヨーグルトの危険性を発信する声が増えました。

ヨーグルトは健康食品として知られていますが、

乳製品としてのアレルギー懸念以外にも、

様々な危険性が報告されているんですね。

そんな訳で、

ヨーグルトのメリットと危険性について知っておこう

というのが今日のテーマです。

 

<そもそも乳製品は体にいいのか>

 

乳製品についてはこのブログでは

危険視するほどではないけど、

気をつけて食べたほうがいいもの

という扱いをしています。

乳製品については、

結果の異なる研究が非常に多いんですよね。

そんな中でも最近出た大掛かりな研究

『乳製品と死亡リスクの相関及びメタ分析』

では以下のような結果になっています。

・全ての乳製品は死亡率2%の低下と相関がある

・チーズは死亡率8%の低下と相関がある

やはりチーズは凄いということで、

チーズに関しては以前に取り上げたことがありますね。

 

 

ちなみにこの研究は12の研究をまとめたメタ分析も行っていて、

・牛乳に関しては心疾患のリスクを4%上げる。

としています。

 

乳製品が好きで飲んでいて健康なら問題なし

でも牛乳の飲み過ぎは注意

 

といったところでしょうか。

 

<食品の持つ二面性>

 

基本的に食品は

良い部分もあれば悪い部分もある

と考えてましょう。

その上で適量とバランスを守ることが大切です。

そして、

ある人によっては栄養になっても

別の人にとっては毒にもなる

ということも頭に入れておきましょう。

 

総合的には科学的に正しい数少ない健康食品である発酵食品でも、

食べて不健康になるケースを以前紹介しましたね。

 

 

そしてヨーグルトは

乳製品であり発酵食品でもあります。

一括に健康か不健康かで分けられるものではないんですね。

 

<先に結論>

前提が長くなりましたが、

最初に私の現時点での結論を述べておきます。

 

・わざわざ積極的に摂るほどではない

 

・体質や体調によってデメリットが大きく出てしまうことがある

・ダイエット効果や一定の栄養価はありそう

・摂り過ぎは避けたほうが良さそう

 

歯切れの悪い結論ですが、

現時点ではっきりと断言してしまう人は危険だと思います。

ヨーグルト自体は

・手軽に食べられる

・他の食品と合わせやすく

・安価で手に入る

と食生活のリズムを作る上で非常に便利ですので、

メリットのほうが大きいと考えるなら毎日取ることもいいでしょう。

ただしその場合はこのあと述べるデメリットやリスクも頭に入れておいたほうがより豊かな食生活が送れると思います。

 

現在食べていて健康であるなら

危険性を気にしすぎる必要はありません

 

<ヨーグルトのメリット>

まずはヨーグルトの利点をみていきましょう。

美容やダイエットの観点からも高く評価されています。

 

①成分から見て分かる高い栄養価

ヨーグルトには普段不足しがちな

ホエイたんぱく質

カルシウム・マグネシウム

カリウム

モリブデン

ビタミンB2

葉酸

などの栄養が豊富に含まれています。

乳製品の健康リスクとして話題に上がる乳糖が少ないことも高評価でしょう。

 

 

また、

乳酸菌

ビフィズス菌

が含まれているため、

プロバイオティクスによる整腸作用が期待されます。

ただしこれらの菌はメーカーや商品によって菌の量が大きく違うようなので、

常用する方は調べてみるのもいいかもしれません。

 

ちなみにこの乳酸菌たちは

「胃酸でほとんど死滅しちゃうんじゃないか?」

なんて反論も一部から出ていますが、

たとえ少量or死菌であっても一定の整腸効果はあるようです。

 

②糖尿病予防

ヨーグルトが糖尿病予防になるかという研究はされていて、

2013年には系統的レビュー&メタ分析で

ヨーグルトは糖尿病に効く

という報告がされているようです。

ここでは糖尿病リスクの低下と相関があるとして、

ヨーグルト・チーズ・低脂肪乳が評価されています。

 

③ダイエット効果

ヨーグルトはダイエットに有効というのはかなり有名ですね。

ヨーグルトのダイエット効果

については系統的レビューを行った研究が2016年に出ていまして、

・ヨーグルトを食べる人ほど体型がいい

・ヨーグルトは体脂肪率を減らすが筋肉量は減らさない…かも

といった感じで一定のダイエット効果が認められているようです。

 

 

<ヨーグルトのデメリット>

メリットと同じで小さなデメリットは色々あるみたいですが、

栄養学や医学の専門家が問題視している部分にフォーカスしてみます。

 

①カルシウム:マグネシウム比のアンバランス

乳製品に多く含まれる栄養素にカルシウムとマグネシウムがありますが、

含まれている2つの成分の比のアンバランスについては注意が必要です。

 

ヨーグルト100gあたりに含まれる

カルシウムは120mg

マグネシウムは12mg

カルシウムの方が10倍含まれているんです。

 

この差が大きければ大きいほど心臓病やがんのリスクが高まると言われているため、

ヨーグルトのみ食べているとバランスとしてマグネシウム不足になりがちです。

他の食事でバランスをとったり、ヨーグルトの摂取量を調整したりしましょう。

 

 

②残留ホルモンの懸念

乳製品に含まれている女性ホルモンが食べた人のホルモンバランスを崩してしまうのではないかという懸念です。

 

これらの残留ホルモンはエストロン濃度というもので測定され、

バターや妊娠牛からの乳は特に高く検出されます。

上記2つほどではありませんが、ヨーグルトも高い値を示しています。

 

思春期の子供が産生する女性ホルモンは40~100ナノグラム/日ですが、

300グラム/日の乳製品を摂取した場合、

外因性の女性ホルモンが110ナノグラム/日

に達することになります。

 

エストロゲンや成長ホルモンによって急激な細胞分裂・増殖が繰り返されると

・DNAの変異

・ミトコンドリア障害

・若年性乳がん

などのリスクが高まるとされています。

 

やはり、

ヨーグルトの摂取量はほどほど

が良さそうです

 

ちなみにこの残留ホルモンについては、

メーカーや商品によって大きく変わってきますので、

気になる方は調べてみることをオススメします。

う~ん、食べるとしたら良質な牛乳から作られているものを選びたいものです。

 

③ラクターゼ問題

こちらは多くの乳製品に言われる乳糖分解酵素(ラクターゼ)に関する問題です。

牛乳に含まれている乳糖(ラクトース)はガラクトースとグルコースから構成されている党なのですが、

この糖は乳以外では自然界に存在しない

と言われています。

人間も幼児期には母親の乳を飲んで育つので、

この乳糖を分解するための「乳糖分解酵素(ラクターゼ)」が活性化されていますが、

大人になるに連れ、この活性は弱まっていきます。

そんな訳で、ラクターゼの活性が弱い人は

この乳糖を摂取することで消化不良になってしまうのです。

ヨーグルト自体は乳糖が少なめの乳製品ですが、

少量であっても消化不良は起きており、

腸に負担をかけてしまってるケースがあるんですね。

体内のラクターゼが不足している可能性が高いです。

 

ちなみにラクターゼは

「20歳を過ぎればほとんどの人の体内では不活性化する」

という報告もあるため、

大人になって牛乳をたくさん飲むとお腹を壊すようになった人はこのケースが多いようです。

ヨーグルトを食べて便通が良くなった

と喜んでいる人がいますが実は

腸内細胞が活性化したのではなく

消化不良が起きている可能性がある

ということです。

もちろん体質や体調によりますので個々で調べるしかありませんね。

とはいえ私もヨーグルトを食べてお腹を壊したことはないものの、

体調が悪いときはヨーグルトは控えるようにしています。

 

 

④牛由来のカゼインが腸の炎症を引き起こす

牛乳に含まれているタンパク質のうちに最も多く含まれているのが

カゼイン

です。

このカゼインはカルシウムの吸収を助けたり、

免疫力を高めるなどの効果が知られていますが、

母乳と牛乳では含まれているカゼインの種類が少し変わっていて、

人によっては特定のカゼインが腸の炎症を引き起こすと言われています。

牛乳に含まれるカゼインはα、β、kの3種類があり、αにもS1とS2、βにもA1とA2と分かれています。

人の母乳はKカゼインやβカゼインが多く含まれるのですが、

αカゼインのS1やβカゼインのA1はほとんど含まれないため、

これを多く含む牛乳を飲んだ場合に炎症を誘発する場合があるんですね。

 

・栄養の吸収を阻害してしまい腸に負荷をかける

・体質によって問題がない人とある人が出てくる

 

なんだかグルテンとよく似ていますね。

 

 

<まとめ>

さて、メリットデメリットをまとめてきました。

デメリットを知って

「ヨーグルトを止めたほうがいいのかな…」

なんて思った人もいるかも知れませんが

①カルシウムとマグネシウムの比

②残留ホルモン

に関しては

適量とバランスを守るべきもの

と捉えればいいわけですし、

 

③ラクターゼ問題

④カゼインの炎症効果

については

体調と体質によるもの

と捉えることが出来ます。

 

自分の体調・栄養バランスに気を配っていれば、

充分にメリットのある食品だと考えていいでしょう。

また、科学研究は良質な乳製品も悪質な乳製品も一緒に判断しているものが多いので、

良質なものを選ぶ意味が強い食品

とも言えると思います。

私は現在良さそうなヨーグルトを一通り試しているところですが、

良いものが見つかったら追記しておこうと思います。

 

<乳酸菌のとり方>

少し余談にはなりますが…

乳酸菌による恩恵を安全に受けようと思った場合は、

他の発酵食品から摂取することをオススメします!

野菜のぬか漬けなんかは乳酸菌が豊富ですからね。

ヨーグルトは動物性の乳酸菌ですが、

醤油や漬物は植物性の乳酸菌であり、

植物性の方が生きて腸に届きやすいと言われています。

 

 

また、動物性のビフィズス菌がいいと言う人は、

サプリメントで摂るという方法も有効なようです。

特にダイエット効果なんかはサプリが有効に使えるとして注目されています。 

 

乳酸菌サプリについては機会あれば調べてみたいですね。

 

 

最後に繰り返しにはなりますが、

ヨーグルトについては

 

無理して食べるほどのものではないよ

好きな人は良いものを適量に楽しんで

 

ということです。

それでは。

 

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