知っておきたい栄養成分表示の読み方【原材料だけにこだわったエセ健康食品】

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<栄養成分表示を読んでみよう>

 みなさんは栄養成分表って気にしたことありますか?

食品の袋裏に

 

エネルギー 123kcal

たんぱく質   8g

 

みたいに書いているあれです。

 

管理栄養士の圓尾さんの放送で

栄養成分表示の見方の解説が出されていました。


管理栄養士が教える バッチリわかる栄養成分表示の見方【前編】

 

なかなか興味深い内容です。

自分なりに原材料をチェックすることはあっても、

成分表の正しい見方を習ったことはないですからね。

 

圓尾さんの動機としては

・自然食品のレトルトのカレーをもらった

・原材料には添加物もなく、体にいい材料のみを使っていた

・しかし、栄養バランスがかなり悪かった

ということで今回の動画に至ったようです。

 

もちろん圓尾さんならでは内容ですが、

勉強させていただきましょう。

 

<日本の栄養成分表>

 

日本のルールでは以下の5項目は載せることになっています。

 

エネルギー 

たんぱく質      

脂質

炭水化物

食塩相当量

 

でも海外ではどうなのか。

予想の通り日本は遅れています。

トランス脂肪酸や酵母エキスの話を思い出しますね。

 

アメリカ・韓国では

「飽和脂肪酸 ○g」

「トランス脂肪酸 ○g」

のように脂質の中の分類も載せている。

「糖質 ○g」

「食物繊維 ○g」

のように炭水化物も分けて表示している

コレステロールやミネラルの表示義務もある。

 

炭水化物というのは

糖質+食物繊維の値のこと

つまり日本の表示基準では

全然性質の違う糖質と食物繊維がまとめて表示されてしまっている。

 

さらに海外では

1日の摂取基準の何%かが記載されている

「食塩   5.5g(60%)」

だとかなり塩分が高い食品だとひと目で分かる

 

後進国と比べても日本の成分表示項目は少ない

 

ちなみに原材料についても、

食品の中の何%を締めているのかも表示されている。

 

日本の法律では消費者の知る権利が守られていない。

だから自分たちで知識を高めていく必要があるのです。

 

 

<読んでみよう>

 それではこちらのレトルトカレーの栄養成分表を読んでいきましょう。

ー  一袋辺り  ー

エネルギー  450kcal

たんぱく質    4g

脂質      30g

炭水化物    40g

食塩相当量   55g

 

①単位に注意

 まず最初に注意すべきは今回の表示は「一袋辺り」の量であること。

しかも商品によっては「100gあたり」だったり「1個あたり」とバラバラです。

1日の摂取基準という観点もないので、消費者が知識でカバーしないといけません。

 

②エネルギー

1日に必要なカロリーは個人差があるので、

正確な数字は自分で調べてみてください。

おおよその数字として

30~49歳の人は

男 2100~2400 kcal

女 1800~2100 kcal

1日の基準量です。

 

このカレーは1袋450kcalです。

当然ですがご飯も一緒に食べることが多いでしょう。

 ご飯が150gで240kcal…

合計 690kcal

女性の1食の基準が1日分を3で割って

600~700kcalと計算できますから…

 

もうこれだけで女性の1食の推奨カロリーを満たしてしまうんです。

レトルトカレーなのにサラダや飲み物、他のおかずなどはなかなかつけられません。

 つまりかなり高カロリーな食品であると言えます。

自然食品のレトルトカレーですから、

女性の方が購入することが多そうなんですけどね…

 

③たんぱく質

このカレーのたんぱく質は4g

1日の基準量

男 60g

女 50g

ですから1食20gは欲しいと考えると

かなり少ない事がわかります。

豆製品や卵製品なんかを加えたいですね。

 

③脂質

1日の基準

50~60g

 

このカレーの脂質は30g

油が多すぎです!

かなり脂っこいカレーだと分かります。

 

④炭水化物

糖質と食物繊維が混ざってしまっていますので、

基準値を定めることは難しいです。

食物繊維が入っていない食品(ジュースなど)でしたら、

炭水化物=糖質と考えられますので、

角砂糖1コ4gで計算すると、

清涼飲料水の中に入っている砂糖の量に驚かされるでしょう。

 

⑤食塩相当量

1日あたり

男 7.5g

女 6.5g

この基準はだんだん厳しくなっています。

WHOからは1日5gと言われていますが、

日本人の食文化からは難しい(というか合わない)と思われます。

このカレーは

食塩相当 5.5g

物凄く高いですね。

流石に濃すぎると分かります。

 

このカレーはどんな食品か

総合するとこのカレーの成分は

エネルギー 高め

たんぱく質 少なめ

脂質    かなり高い

食塩相当  かなり多い

 ということで、

 

原材料を気にしすぎたがゆえに、

その旨味を補うために

・塩

・油

を大量に使ったカレーになってしまっている。

ということです。

 

体によさそうなフリをして、

実は添加物食品よりも体に悪いかもしれないという

ややたちの悪い食品だと分かってしまいます。

 

<正しく読み取るために>

1日の基準値をまとめておきます。

エネルギー

 男 約2200kcal

 女 約2000kcal

たんぱく質

 男 60g

 女 50g

脂質

 50~60g

炭水化物

 判別できないが、飲み物なら砂糖の量の目安になる。

食塩

 男 7.5g

 女 6.5g

 

注意点として

あまり1日あたりの摂取量にとらわれる必要はありません。

あくまでもこれは目安であって、

長いスパンで判断するときのものです。

 

目的としては今回のように

「この食品は他のものに比べて塩分多めだな」

「カロリーがかなり高いな」

と判断するために使いましょう。

繰り返していくと

原材料だけの健康食品に騙されることも減ってくるはずです。

 

 

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