人が判断を間違えてしまう意外な理由
<最適な判断は簡単に間違えられる>
「事業の立ち上げ」
「結婚相手の選択」
「住居の決定」
人は大きな決断に迫られた時、
自分の持っている知識に基づいて最適な判断を下す
と思われています。
しかし先日発表された研究では
人は最善の選択を知っているが、
ある理由でそれを選ぶことが出来ないことが多い
ということが報告されました。
なかなかに面白い報告だったので、
今回はこの研究について取り上げて、
なぜ私達が人生の大事な選択を間違えてしまうのか考えていきましょう。
<最適なものを知っていても選べない理由>
多くの人は選択を間違えてしまった場合、
「正しい選択をするための十分な知識がなかったからだ」
と考えてしまいます。
しかしオハイオ州立大学で心理学と社会学を研究するラン・クラビッチ准教授は
「例え最も成功率の高い手段を知っていたとしても、人々は直感や習慣・最後に上手くいった経験に頼って決断を下してしまう」と述べています。
『人々は最善の決断をしっているかもしれませんが、決断することはできません』
発表:2020年4月
対象:57人
コンピューターを用いたゲームをプレイしてもらい、
その達成度に応じて報酬を与えるもの。
ゲームの内容は様々なパターンでパネルをクリックするというもので、
毎回変わるパターンを常に変化させて行くことがこのゲームの最善であることをほぼ全ての被験者が学習した。
しかし多くの学習者は、直前にたまたま上手くいったパターンに引っ張られて最善の選択ができないケースが多くあった。
つまりは、
人間は最適な選択を知っているとしても
直前の成功体験に引っ張られてしまう
ということですね。
株やFXのデイトレードをやっている人などなら痛いほど経験してそうなことですね。
報告者は「成功率の差が僅かな場合は前回の結果に引っ張られやすくなることを知っておくことには大きな価値がある」と言っています。
こういった考え方の偏り(バイアス)は知っているだけでもかなり予防できます。
逆に知らないとどんなに賢い人でも引っ張られてしまうことも分かっています。
「私達も気づかないうちに前回の成功に引っ張られているかも…」
ということを覚えておきましょう。