クエン酸の美容健康効果はどこまでホント?
<クエン酸の効果>
最近栄養分野でクエン酸が注目を集めています。
「疲労回復効果がある!」
「抗がん作用が見つかった!」
「美容やダイエットにもいい!」
なんて話もよく聞きますね。
そんな訳で今回は科学的にはこれらの話が
どれくらい信憑性があるのか
について見ていきたいと思います。
今回は栄養チャンネルNobunaga さんの動画や
クエン酸に関する健康本、
ハーバードの論文などを参考にしていますが、
あくまでも私なりにまとめたものです。
詳しく気になった方は本文を確認することをオススメします。
この記事の内容
・栄養学とクエン酸
・クエン酸の効果
・クエン酸の正しい摂り方
<栄養成分の効果を見る時の注意(読み飛ばし可)>
まず栄養分野で私が気をつけておこうと思っているのは、
突然新しく聞くようになった栄養成分の効果を真に受けすぎない
ということです。
食品と栄養成分は別物ですからね。
食品には様々な栄養成分が含まれているため、
食品の健康効果を特定の栄養成分のおかげだとは決めにくいと言えます。
逆に特定の栄養成分を含んでいるからと言って、
その食品で十分な効果が得られるかを判断することは難しいです。
落とし穴が多いってことですね。
例1
果物は肥満を予防するが、
果汁を抽出したジュースは肥満を促進する
例2
チョコレートに含まれるポリフェノールは肥満予防になるが、
市販のチョコレートの多くには砂糖や油が多く使われているため返って肥満を促進する
もちろん栄養成分に着目するメリットは大きくて
・生理的なメカニズムは分析しやすい
・サプリメントなどでピンポイントで摂ることで成果が分かりやすい
という点があります。
とはいえ長期的な効果を保証するには長い研究機関と大量のデータが必要になります。
今回のクエン酸は比較的データが多い研究ではあるものの、
その効果については信憑性の高いものとまだまだ観察報告の段階であるもの様々です。
クエン酸豊富なカボスを食べることで美容効果が報告されたからと言って、
・同じクエン酸を多く含む梅干しで同じ効果が保証されるわけではない
・クエン酸をサプリで直接摂って美容効果が出るかは別問題
ということは頭に入れておきましょう。
(健康食品でやたらと使われる手法です)
<クエン酸とは>
クエン酸は カボス・レモン・ライムに多く含まれる栄養成分です。
クエン酸は酸性で、柑橘系の酸っぱさはほとんどクエン酸が原因と考えて良いでしょう。
「え?クエン酸を食べると体がアルカリ性になるんじゃなかった?」
と思った人はいませんか?
これはクエン酸が体内の膵液によってアルカリ性に変化するためです。
健康的な体組織や血液は弱アルカリ性と言われています。
またクエン酸はそもそもミトコンドリアで合成される代謝産物であり、
人間が体内で生成できる栄養です。
そのため必須栄養素とは違うのですが、
外から摂ることでより大きな薬理作用を発揮してくれることが分かっています。
クエン酸自体はどんどん代謝されていくため、
食品から摂っている分には過剰摂取になることも少なく、
安心して積極的に摂取していきたい成分と言えます。
ちなみにサプリメントで摂ることもできます。
・錠剤やカプセルなので歯を傷めない(濃い酸は歯を溶かす)
・多くの薬事効果を得たいならサプリメントは必須(食品で大量に摂るのは難しい)
などの大きなメリットがありますが、
・過剰摂取の可能性があり(容量を守ること)
・下痢や吐き気が出るケース(体質に合わない人もいる)
という報告もあるので、
利用するなら計画的に使うほうが良さそうです。
<クエン酸の作用>
クエン酸の作用としては
・抗ストレスホルモンの原料になる
・乳酸を減少させることで疲労軽減効果がある
・細菌やウィルスに対する消毒作用
・ミネラルの吸収を助ける作用
が報告されています。
これらのメカニズムに対してはかなり信憑性が高い報告が多いので、
ある程度信用できそうです。
<クエン酸の抗癌作用>
ハーバード大学の大掛かりな研究報告を紹介してきます。
発表:2017年
報告:
・がん細胞はクエン酸濃度が低下しているものが多い(観察研究)
・クエン酸を増加させることでがんの動きが弱まる(生体実験)
・症例は少ないが、患者への抗腫瘍効果も報告されている
というわけで、
・免疫の活性化
・がん細胞を成長させる物質を阻害する
つまりはがんの天敵とも言える栄養素であることが報告されました。
他にも22件の疫学論文のレビューにより
柑橘類の果汁や抽出物はがんへの予防効果が強く現れている
(発症率約30%減)
予防と治療に対する効果が大いに期待されていることが分かります。
免疫力を上げるというのは、がんに限らずに重要ですよね。
<クエン酸の効果>
そんな訳で、クエン酸の持つ効果としては
・糖尿病や高血圧の予防
・がん予防
・疲労回復
・免疫力アップ
などはある程度信憑性が高いと言えるでしょう。
消毒作用もありますので、
・抗細菌、抗ウィルス効果
についてもあると言えます。
ただしこれらの効果を享受するには毎日の食習慣の中で常に摂っていく必要があります。
また
・美容効果
・ダイエット
・ストレス低下
に関しても今後の研究報告に期待が持てます。
とはいえこの辺りは直接的に考えないほうが良さそうです。
クエン酸でミネラルの吸収を促進する事はできますが、
十分にミネラルを摂っていないと美容効果は期待できません。
というわけで、
「クエン酸を摂ってるからダイエットしてる」
という考え方ではなく、あくまで補助的なものとしてクエン酸を考えるべきでしょう。
そういう意味では、マグネシウムのサプリメントにクエン酸が含まれていたりするのは理にかなっていると言えますね。
<クエン酸を多く含む食品>
100g当たりのクエン酸料を見た時
梅干し 7g
カボス 6g
ライム 6g
レモン 3g
キウイ 1g
オレンジ 0.8g
パイン 0.7g
となりますが、
普段身近に食べる量で見ると
梅干し 1個1g
レモン 1/2個2g
オレンジ 1個1g
キウイ 1個1g
といった具合になります。
クエン酸の推奨摂取量は
通常 3g
予防対策 5~15g
治療効果 10~30g
薬事効果による治療は流石にお医者さんと相談ですが、
通常の3gであれば、食生活で心がけていけば問題なさそうですね。
梅干しを毎日食べるようにしたいです。
ただし、
疲労回復や美容効果を十分に得るために理想のクエン酸料を満たしたいなら少し工夫する必要がありそうです。
<クエン酸の正しい摂り方>
というわけで、
まずは毎日梅干しを食べるようにしましょう。
しかし梅干しの塩分が気になる方は1個にしておく必要があります。
やはり理想量を摂るならサプリメントを使うのが一番手軽でしょう。
私はまずは食品から始めようと思います!
有機のカボスジュースを注文しました!
毎日1杯分飲めばかなりのクエン酸を摂取できますし、
サラダなどのドレッシングとして使うのもいいでしょう。
飲み過ぎたら歯を痛める場合がありますので、
水やお湯で少し薄めて飲みましょう。
タイミングとしては食事中や食後にした方が胃の負担が減るのでオススメです。
皆さんも食生活の中で少しクエン酸を意識してみてください。