頭が良くなるゲームについて【メリット・デメリット】

 

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<ゲームで頭が良くなる?>

昔は学習に悪影響と避難されていたゲームですが、

昨今では認知力を高める効果が報告され、

認識が変わりつつあります。

とはいえ香川県のゲーム条例なんかでゲームの時間が制限されて物議を醸すなど、

まだまだ社会のゲームに対する認識はバラバラであるようです。

今回はゲームと認知能力や学力の関係について調べた研究について取り上げてみます。

 

この記事の内容

・ゲームの影響を見る上での注意点

・学力とゲームの関係を調べた研究

・頭の良くなるゲームとそのメリット・デメリット

・オススメゲーム・オススメ書籍

 

<学力への影響を見る上での注意点>

最近だとメンタリストDaiGoさんが「頭が良くなるゲーム」として、

チェスや3Dゲームなどのメリットを話されていました。

とはいえ

学力が上がるかどうか

という問題は

『教育』

という最も成果が分かりにくい分野の一つです。

そのため教育学というのは何十年もの研究の中で少しずつ変化するという性質を持っています。(この点は教育が古い様式から抜け出せないと言われる原因ですが、この話はまたの機会に)

 

特定のゲームを一定期間プレイした子供が

・脳の状態が発達していた

・認知テストの点数が上がった

からといって、

・それが本当にゲームのおかげなのか

・他の能力は低下していないのか

・長期的な効果はどうか?(継続することで伸び続けるのか)

などといった課題をクリアーすることは一筋縄ではいきません。

少なくともかなり長期に渡る追跡調査と大量のサンプル数が必要となり、

そこまでしてもなお

「全体的にはそういう傾向にあるが、個人の適性による」

というのが実用的なところです。

そんな訳で『ゲームによる学習効果』については、

参考程度にしておくのが正しい距離のとりかただと私は思っています。

とはいえこういった知識は

プラシーボ効果(どんな効果があるのか知っていることでより効果が高まる)

による影響も大きいので、

どんなメリットがあるのかを知っておくのは十分に意味があるといえるでしょう。

ではそれを踏まえた上で知能とゲームの研究を見ていきましょう。

 

<頭の良くなるゲーム達>

ゲームで頭が良くなりたいなら「脳トレ」を思い浮かべる人は多そうですが、

実はこの「脳トレ」で頭が良くなるかというとかなり怪しいものがあります。

それよりは

・瞬時の判断を要求される

・謎解き要素がある

・3D空間を動き回れる

という要素があるゲームを選ぶほうが科学的には正解と言えます。

 

シャリテ大学の実験で研究者は、

『ゲームと脳の容量アップには直接的な関係がある』

といっています。

スーパーマリオを1日30分2ヶ月プレイした参加者の脳は、

何もしなかった参加者に比べて海馬、前頭葉、小脳のサイズが大きくなっていたようです。いずれも記憶・意思決定・理性を司る重要な部位です。

 

ロンドン大学の研究では

『リアルタイム戦略ゲームは脳機能を改善する』

という報告がされました。

この実験で使われたゲームは「スタークラフト」と言われるゲームで、

リアルタイムでの素早い判断と操作が要求されます。

このゲームをプレイした参加者の認知テストの結果は明らかに高かったようです。

 

 <アクションゲームで学力低下?>

ゲームによる脳への影響を調べた研究は数多くありますが、

基本的には受け身のゲームは脳に悪影響である

という点は共通している物が多いです。

これはアクションゲームであっても同じで

コールオブデューティー(FPS系のサバイバルゲーム)」と「スーパーマリオ(人気のアクションゲーム)」を比較した研究では、

『コール オブ デューティで脳が縮小する。スーパーマリオで脳が拡大する』

という結果が出ています。

この場合の脳とは、認知や判断を司る海馬の灰白質の機能している部分です。

頭が良くなると言われるアクションゲームであっても、

脳機能が低下しているという結果が出ていることは頭に入れておきましょう。

研究者による分析だと、

FPS系のゲームであっても、道案内マーカーや索敵誘導の印など、

プレイしている人間に甘い仕様のゲームでは、

脳機能を高める効果は期待できないようです。

そういう意味では、

ゲームよりもテレビのほうが明らかに悪影響

と言われるのにも納得がいきますね。

テレビは完全に受け身のコンテンツですから。

 

<このゲームが上手ければIQが高い>

もちろんゲームが認知能力を高めるという研究報告は山のようにあります。

ヨーク大学の研究では

『MOBAゲームの成績が高ければIQテストの成績も高い』

 

という報告が上がっています。

MOBAとは「マルチ・オンライン・バトル・アリーナ」の略でチームでマップを共有して戦う対戦ゲームです。

反射神経や判断力が要求されるゲームですので、

この能力がIQにも関わってくるのだろうと言われています。

注意点としては、あくまでMOBAの成績とIQが相関しているだけなので、

MOBAゲームをすることでIQが上がることが示されたわけではありませんが、

研究者はこの可能性を示唆しています。

 

<頭が良くなるゲームのメリット・デメリット>

先程触れましたが、

認知能力が高まる代わりに別の能力が低下するという報告もされています。

それはずばり

欲求に負けやすくなる

ということ。

自制心が低下する傾向が見られるというものです。

これはカタルーニャ大学の報告で、

過去に出たゲームと脳に関する116件の先行研究のレビュー論文になります。

ここまで紹介した中ではダントツで信憑性が高いです。

『テレビゲームの神経基盤』

ゲームが与える影響を分析した結果

(メリット)

・集中力が長続きする

・選択的注意力が上がる

・空間把握能力が高まる

・脳の海馬が大きくなる(記憶と学習を司る部分)

(デメリット)

・脳の報酬システムに影響が出て中毒状態になる可能性がある

・外部刺激への反応が過敏になり、報酬に弱くなる

 

 

中毒性と欲求への弱さについては、

意識しておく必要がありそうですね。

 

総じて考えれば、

・素早い判断

・謎解き要素

・3Dを自由に動ける

ゲームであるスーパーマリオゼルダの伝説

1日の決められた時間内で行うのが最強であると言えそうです。

 

 

<おすすめ書籍>

 最後にDaiGoさんがオススメしていた、

ゲームの可能性を感じられる本を紹介しておきます。

 

 ゲームの可能性を感じたい人は読んでみるといいでしょう。

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