改善点を指摘する際に使うべき感情【恋人に変えて欲しいこと】
<相手に改善して欲しいことがあったら>
少し前に『怒りの感情は良好な人間関係を作りたい場合はデメリットしか無い』という話題を出したのですが、では『どんな感情を利用するといいのか?』という研究が報告されていたので取り上げてみます。
一般的には近しい人、特に恋人との良い関係を築くためには相手の気持を汲み取る『共感』が大事とされています。このための『傾聴』というテクニックも以前に話題にしたことがありますね。そして今回の研究は『改善点を指摘するときはどんな感情を利用するべきか』というものです。
<恋人に伝えるべき感情>
【恋人との関係を支配する感情の共感効果】
https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/0956797620904975
発表:2020年5月
機関:ロチェスター大学
対象:111組のカップル
内容:パートナーに変えて欲しいこと調査→二人の話し合いデータ→その後の感情調査
結果:
・恋人の悲しみ・恥・罪悪感を読み取ると、改善を受け入れる可能性は上がり、関係も深くなる
・恋人の怒り・軽蔑などの感情を読み取ると、改善を受け入れる可能性は下がり、関係も悪くなる
つまり改善点を訴えている恋人の中に
・悲しみ・羞恥心・罪悪感が感じられると関係は良好になる
・怒り・軽蔑心が感じられると関係は悪くなる
ということでした。
研究者は今回の実験から「相手の問題点を指摘する時に恥ずかしさや罪悪感を表に出すことは悪いことではない。それらの感情は相手への気遣いを示すものであり、そこに共感を抱くことは相手にとっても価値がある。」ということを述べています。
<まとめ>
今回の研究は恋人を対象にしたものですが、近しい人間関係という意味では他のことにも応用が可能と考えられます。
相手に何かを改善して欲しいときは、怒りや軽蔑の感情が湧いてしまい、それを共感してもらいたいと思いがちです。しかし相手との関係を良いものにしたいという思いで何かを要求するなら、怒りや軽蔑の感情は抑えて、悲しみや恥ずかしさ、悪いなと思う気持ちを全面に出すようにしましょう。自分の精神がある程度落ち着いている時に伝えるべきってことですね。
反対に相手から何かを改善して欲しいと言われて、その気持に寄り添いたい場合は相手の恥ずかしさや罪悪感に注目してみましょう。もちろん相手が怒りの感情を込めて話している場合、こちらも他の感情を読み取るのが難しくなるでしょう。その場合はお互いにクールダウンする時間を取ることを提案してみましょう。その際こちらの悪いという気持ちを押し出すことを忘れないように。
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