人間関係を楽にする最強の伝え方【アサーション・トレーニングとは】

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<相手に伝える技術>

あなたは自分の周りの人達に対して、自分の意見が言えていますか?

 

そう言われると考えてしまう人が多いんじゃないでしょうか。中には「自分は結構意見を言えてるよ」という人もいるかもしれませんが、むしろそういう人の方が要注意だったりします。なぜならそういう人は『上手く』伝えることが出来ていない可能性が高いからです。

 

先日メンタリストDaiGoさんがアサーショントレーニング(自分の意見を伝えるためのトレーニング)について取り上げられており、


ツライ恋愛がラクになる伝え方【アサーションとは】

ちなみにこの続きは「人間関係がラクになる最強の伝え方【16のアサーショントレーニング】」というタイトルでDaiGoさんの有料チャンネルで観ることが出来ますので、興味を持った人は登録してみるといいでしょう。

 

そんな訳でアサーションに注目が集まっている今だからこそ、私なりにアサーション・トレーニングについて取り上げてみようと思います。アサーションは相手との関係を壊さずに相手に自分の意見を伝える技術なので、これを身につけることで

・周りの人間と良好な関係を作ることが出来る

・自尊心が高まり、メンタルも強くなる

という非常に素晴らしい効果があります。

 

 

この記事から分かること

・アサーションとは

・自分のタイプを知ろう

・大切な考え方

・4つのトレーニング方法 

 

<アサーションとは>

アサーションを直接和訳すると「自己主張」という意味になります。ここでいうアサーションとは、単に自分の主張を押し通すだけでなく、相手の立場を尊重しながら自分の意見を伝える力ということになります。自分の意見を上手く相手に伝えるためのコミュニケーション能力のことですね。アサーションが出来ている行動をアサーティブな行動といいます。

 

コミュニケーションには3つのタイプがあって、例えは自分が並んでいる列に割り込まれた場合なんかに、

1.内心ムッとするが何もしない(ノン・アサーティブ)

2.相手の非難し、列から排除しようとする(アグレッシブ)

3.先に並んでいたことを伝え、後ろに並ぶように丁寧に頼む(アサーティブ)

というように分類できます。ここで適切なバランスでアサーティブな行動を取るためには、日頃から練習が必要ということになります。これがアサーション・トレーニングと言う考え方です。

 

 

アサーションの概念についてはこちらの本に詳しく書かれていましたので、興味のある方は読んでみるといいでしょう。ただし具体的なトレーニング方法についてはあまりしっかりとは書かれておらず、自身の著書や講演会の誘導が示唆されていました。

  

具体的なトレーニング方法を考えるならこちらの方が良いかもしれません。やはり子育てや教育関係の研究を含めて論じられることが多いようですね。旧版含めて品切れのようですが。

 

<まずは自分のタイプを知る>

アサーション・トレーニングを始める前に、まずは自分のアサーションレベルがどれくらいなのか、どういう傾向にあるのかということを知っておく必要があります。2014年にコロンビア大学で行われた実験では、『自己主張が強い人ほど自分の自己主張が足りなかったかもしれないと感じ、自己主張が弱い人ほど自分が主張しすぎたのではないかと感じる』という結果が出ており、人間は自分の自己主張の強さを正しく認識できていないことが示されています。本当の意味でアサーションが必要な人ほど、「自分のはアサーションは必要ない」と思っているなんて皮肉ですね。

 

自分のタイプを知るために簡易なチェック項目を作りました。以下の問いに「はい ○」「いいえ ✕」で答えてみてください。

 

1.見知らぬ人達の会話に入ることが好き

2.知らないことやわからないことがある時、説明を求めることができる

3.自分が緊張したり神経質になったりした時、それを受け入れることが出来る

4.自分の長所や成果を人に言うことができる

5.人から褒められた時、素直に受け入れられる

6.自分が間違った時、すぐに認めることができる

7.長電話や長話を、自分から終わらせることができる

8.好意でやってくれる行動であっても、煩わしい時は断ることができる

9.不当な要求を断ることができる

10.レストランで注文した料理が違っていた時、それを知らせて交渉できる

 

・「はい ○」が4つ以下

この場合は単純に自己主張が少ないタイプですね。先程の3つのタイプの中ではノン・アサーティブなタイプですので、とにかく日頃からアサーション・トレーニングを行って自己主張のための自信をつけていきましょう。人を相手にした具体的な行動を積み重ねていくことをオススメします。

 

・「はい ○」が5つ以上

一般的は値から、○の数が多いほど色んな場面での自己主張は強いと言えます。ただし注意点として、6~10の項目を改めて見返した時に『その時の自分はどんな感情を持っているだろう』と想像してみてください。この時自分が感情に振り回されず、落ち着いて行動できているのならば、あなたのアサーションレベルは非常に高いと考えていいでしょう。ただし怒りや不快感などの負の感情に心を大きく動かされているのなら、それは先程の3つのタイプの中のアグレッシブなタイプと言えます。この場合は、自分の行動を振り返る機会を作り、感情のコントロールを身につけるためのトレーニングを優先して選びましょう。

 

<必要な考え方>

アサーションは子育てや教育の分野で研究されてきましたが、最近ではビジネスの世界でも注目され、ビジネスマンにおいてもアサーション・トレーニングが必要だと言われています。ここまで述べたように、単に自分の意見を押し通すだけではアサーションとは言えません。トレーニングに行く前に、アサーションにおける大切な4つの考え方を確認しておきましょう。

 

1.素直であること

まずは自分の感情に正直であることです。これをはっきりしておかないと、自分にとって何が大切なのか分からずに自己主張することになります。当然ですが、相手の感情に対しても素直に受け入れる姿勢を持ちましょう。

ただし後ほど述べますが『怒り』の感情には注意です。

 

2.対等であること

自分も相手も等しく人間としての尊厳を持っていることを意識します。会社などでは当然上下関係などはあるでしょうが、本質的には人間として対等ですので、変に傲慢になったりへりくだったりする必要はありません。

そんな人間にも平等に接することが、相手への最大の敬意だと考えましょう。

 

3.誠実であること

お互いを大切にという意識で相手と接しましょう。感情に素直といっても、相手の感情を尊重しないようではいけません。自分が間違えたときにはしっかりと謝りましょう。

 

4.責任感を持つ

自分の意見を伝えても、望んだ反応が返ってこないことは当然あります。そんな時も自分を攻めるのではなく、自分が行動した結果なのだと受け入れましょう。自分の言ったことややったことに責任を持つことを意識しましょう。

 

<アサーション・トレーニング>

https://www.jstage.jst.go.jp/article/hwelfare/10/2/10_KJ00007499572/_article/-char/ja/

アサーション・トレーニングといっても、決められたタスクをこなすと言うよりは、日々の生活の中にアサーション・トレーニングの要素を取り入れると言ったほうがイメージが付きやすいでしょう。

 

1.感情のコントロール 

何度も言っていますが自分の意見を相手に伝えたいときは感情のコントロールが最も大事です。特に『突発的な怒り』は人間関係においてほとんどデメリットしか無いので、これらに正しく対処しておきましょう。これが出来ていない人は、以下の4つのトレーニングを行ったとしても、大した成果を出すことは難しいかもしれません。

 

・怒りの感情が湧き上がった場合は、「落ち着くためのルーチンワークを決めておく」「相手に断って少し時間を空けてもらう」「難解なパズルを問いて怒りを散らしてしまう」などとそれを切り離す方法を心得ておきましょう。

 

怒りを切り離す技術『リアプレイザル』については以前にも取り上げていますので、『怒り』に身を任せてしまいがちな方はチェックしておいてもいいでしょう。

www.maru-rin.com

 

今回は感情をコントロールする(感情に振り回されなくなる)ためのトレーニングを2つ紹介しておきます。

 

・感情インベントリ

これは毎日のトレーニングとして、夜寝る前なんかにやってみると効果的です。内容としては、「その日に自分が感じた感情をとにかく10分間で書き出す」というもの。アサーションが高い人は50個以上書き出せるようですよ。自分の感情を知り、相手に伝えるためのトレーニングになります。また、自分の感情を自覚しているだけで、それに振り回されることは減っていきます。

 

・感情サーモメーター

こちらは日常生活を行いながら出来るトレーニングです。シンプルに「自分の感情が動いた時、その波の大きさを10段階で評価する」というもの。これをすることで自分の状態が客観視出来るので、感情に対して自分がどうするべきなのか判断を行うことが出来るようになります。

 

2.言葉選び

普段使っていている言葉を改めて見ることも、手軽で立派なアサーション・トレーニングです。先程の「素直・対等・誠実・責任感」の4つを意識して言葉を選ぶようにしましょう。

 

ポイントは

・相手ではなく自分を主語にして伝える

・ネガティブな言葉ではなくポジティブな言葉を使う

・自分の気持ちを伝える

・お願いするような表現を選ぶ

 

例:(あなたは)どうしていつも資料を出すのが遅いの?→(自分は)資料を出してくれるのが早いと助かるな

 

3.ストレスマネジメント

これに関しては当ブログで何度も取り上げていますが、やはりストレスマネジメントはアサーションにおいても非常に大切です。心理学の研究では、「相手に何かをお願いしたい場合、言ってることの内容よりも感情や精神状態の方が大事」ということが分かっています。アサーションを高めるためにも、ストレスのない生活を心がけましょう。

 

ポイントとしては

・適度な運動習慣

・バランスの取れた食事

・ストレス解消の方法を持つ

 ということですね。

 

人間は不満やストレスを感じたときほど相手に自分の意見を伝えようとしがちですが、実はその状態はアサーションに最も不向きなコンディションなんですよね。ストレスのない状態でアサーションに臨むようにしましょう。

 

ちなみにストレス解消の方法はたくさん知っているほどよいとされていますので、自分に合ったストレス対策の方法を改めて探してみるのも有意義だと思います。

 

www.maru-rin.com

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4.ロールプレイ

最後に相手への共感力を高め、自分の行動をシミュレートするためのロールプレイ・トレーニングを紹介します。

 

(1)過去に誰かと揉めたことを思い出す。

 

(2)以下を紙に書き出す。

・いつの話か

・相手は誰か

・相手はなんと言ったか

・その時の相手の感情

・自分はなんと言ったか

・その時の相手の感情

 

(3)自分と相手の立場を入れ替えた場合をシミュレーションしてみる

・どんな行動をするか

・どんな感情を持つか

 

(4)相手の行動の背景にどんなことがあったのか想像する

・思いつく限り書き出してみる

・相手の言ってることの中で理がある部分を書き出す

 

(5)次同じことがあった場合の自分の行動・言動を書き出す

 

やってみると分かりますが、結構相手に共感できるポイントも見つかるんですね。これをすることで相手への共感力が高まり、自分自身の感情に振り回されにくくなります。また、次に同じことがあった場合のシミュレーションにもなって一石二鳥です。もっと言うならこの行動自体もストレスマネジメントになっていたりします(笑)

 

紙とペンだけで簡単にできるのでやってみましょう。

 

 <おすすめアイテム>

今回はアサーショントレーニングについて紹介しましたが、これらのトレーニングをする上で持っておくといいと思うのが感情類語辞典です。

 

感情コントロールにしろ言葉選びにしろ、自分の中に湧いた感情を正しく選んで使うことが出来ないなら、感情に振り回されることは必然です。嫌なことがあっても「むかつく」「最悪」といったように、短絡的な言葉しか出てこない人はこの状態に陥っていますので、またすぐに同じことを繰り返してしまいます。

 

 「嬉しい」と直接言わない嬉しいの表現が数十個載っています。

 

 コンパクトサイズだとこちらもオススメ。自分の感情を正しく自覚して、向き合うことで、アサーション・トレーニングも一層の効果が得られるでしょう。

 

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