死亡リスク上昇要因ランキング【米研究2020】

 

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<死亡リスクをどのくらい高めるのか>

あなたには

・健康のために控えていること

・不健康とは知りつつもやってしまっていること

ありますか?

 

「〇〇は体に悪いから止めたほうがいい」といった話はよく聞きますが、それらの要因を数字化し、比較出来るようにするという調査をアメリカの研究チームが行ったようです。

https://www.inverse.com/mind-body/the-abstract-tips-for-social-distancing-til-2022

 

<高齢者対象の調査>

今回は13611人の高齢者を対象に6年間に渡って追跡調査をしたもの。

【57の要因から死亡率を予測する】

https://www.pnas.org/content/early/2020/06/16/1918455117

期間やデータ量はそこまでではありませんが、リスク要因を特定するための細かいアンケート調査を行っています。「幼少期の困難」「成人期の有害な事象」「経済的困難」「健康に関する行動」「心理的特性」「ネガティブな社会相互作用」の6項目に分類される57個の要因を分析した結果、次の10個が特に死亡リスクを高める要因となることが分かりました。

 

10位:全てをネガティブに考える 【死亡リスク23%増】

これはネガティブシンキングを利用するわけではなく、メンタルの状態が非常に不安定になっているケースです。生活から受けるストレスが多くなってしまうことも、死亡リスクを高める原因になるようですね。とはいえこれだけではそこまで大きな要因とは言えなさそうです。どちらかと言えば、精神状態が不安定になったことで、これ以外の要因が強化されてしまうんでしょうね。

 

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9位:フードスタンプを利用したことがある 【死亡リスク28%増】

これはアメリカの低所得者向けに行われている食料補助のことです。日本だと生活保護に近いですが、日本とアメリカでは貧富の格差のスケールが違いますので安易に結びつけることは難しそうです。この場合は「一時的ではあってもかなりの貧困状態になったことがある」というように考えておいていいでしょう。

 

8位:未婚である 【死亡リスク30%増】

孤独もまた人生の満足度を下げる要因として知られています。とはいえこれも決定的に大きな要因ではないと思いますので、独身の人は他の要因を強化しないように気をつけるのが良いでしょう。動物を飼ったり、施設などで誰かと一緒に暮らしたりというのも有効な対策と言えるかもしれません。

 

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7位:人生の満足度が低い 【死亡リスク31%増】

人生への満足度そのものがここにランクインです。とはいえ影響力は31%程度…満足度の低さ、飢餓感も時には生きる原動力になりうるのかもしれませんね。

 

6位:喫煙歴がある 【死亡リスク32%増】

これは過去に喫煙歴があるかどうかですが、現在タバコを止めている場合であってもやはり死亡リスクは高まるみたいです。タバコが特定の疾患のリスクを下げることも報告されていますが、やはり健康に悪いことは確かですね。タバコについては以前にまとめたことがあります。

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5位:失業歴がある 【死亡リスク32%増】

これは個人的にすごく意外でした。アメリカの失業率の高さから見ればそこまで寿命に関連しているようには見えませんが、ある程度関係しているようです。日本人を対象とした調査があった場合、この項目がどの辺りにくるのか興味深いですね。

 

4位:最近、財政難である 【死亡リスク32%増加】

高齢となった現在における経済的な困難さがあるかどうかですね。医療体制が日本ほど満たされていないアメリカでの財政難は死亡リスクとも大きく関連してきそうですが、意外なことに32%程度。もっと長い追跡期間だともう少し上位に入ってくるんじゃないでしょうか?こちらも日本での調査結果が気になります。

 

3位:アルコールを乱用している 【死亡リスク36%増加】

やはりアルコールの乱用は健康を害することは確かなようですね。また乱用しているということは、他の死亡リスク上昇要因も増やしてしまいそうです。

 

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2位:離婚歴がある 【死亡リスク45%増加】

なんと離婚歴が2位です!未婚よりも明らかに数字が高いんですね。一度結婚しているからこそ孤独感をより強く感じてしまうのでしょうか?離婚歴と寿命の関係については、機会があったら論文を探してみるのも面白そうですね。

 

1位:現在進行形で喫煙している 【死亡リスク91%増加】

喫煙が堂々(?)の1位です!

これはやはり現在タバコを吸っている人は一刻も早く禁煙することを考えたほうが良さそうですね。91%増加って、2位の倍以上ですよ…

 

<その他報告>

今回の調査では、

・男性の方が女性よりも28%高い割合で死亡リスクを上昇させている

・「日常的な差別」が13位(22%上昇)に入っていて、黒人は白人に比べて死亡リスクの上昇ケースが多い(22%上昇)

なども明らかになっています。

 

研究者たちは今回の調査が健康的な長寿社会を目指すための手がかりになるとして、より一層の研究が必要だと締めくくっています。

 

長く健康的にいるために、私達も日々の生活をよりよいものにデザインしていかなければいけませんね。

 

 余談ですが、パレオな男こと鈴木裕さんの『最高の体調』が漫画で出ていました。漫画版は説明が簡略化されていてかなり読みやすかったので読んだことのない人は是非!興味が湧いたら書籍版も読んでみるといいでしょう。

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