インフルエンザ予防のアルコール消毒は無駄!?
<アルコール消毒の有効性実験>
今回はライトテーマです。
少しずつ涼しい日が増えてきました。
インフルエンザが随分と早い時期に流行しだしたそうですね。
私はインフルエンザになったことはないのですが、
一応マスクを買いました。
マスクでは ウィルスを防ぐことは出来ませんが、
喉を保湿することが一番の目的です。
あとは口元を乾燥から守ってくれるのもメリットですね。
さておき
公共施設や飲食店・スーパーのトイレにアルコール消毒のボトルが置いてありますが
これってインフルエンザ対策に
どのくらい有効
なんでしょうか?
実は粘液(唾液)の特性に注目した最新の研究では、
インフルエンザウイルスが唾液によって保護されてしまうため、
アルコール消毒ではほとんど死ななくなってしまう
ということが報告されたのです。
<唾液による消毒作用の阻害効果を調べた研究>
https://msphere.asm.org/content/4/5/e00474-19
基本知識として、
エタノールベースの消毒剤(EBD)と消毒手洗い(AHW)を使用した手指消毒(AHR)は、
インフルエンザAウイルス(IAV)の発生を防ぐとされています。
もともと、「体液中の有機物がエタノールの消毒作用を弱めてしまう」ことが確認されているので、
医療現場ではこれらを踏まえての基準をクリアした消毒剤が使用されています。
しかし、接触感染や飛沫感染を媒介するだ液などの「感染性粘液の物理的特性」に目を向けた研究はこれまで存在しなかったんですね。
要するに今までの消毒液は
唾液がウィルスを守ってしまうことを
計算に入れていなかった
ということです。
この研究によると、
52人のインフルエンザ患者の唾液を使って消毒実験を行った結果
ウィルスを含む唾液が付着している状態でアルコール消毒をしても、
ウィルスが付着した体液は体表に残り、
感染リスクは残ってしまう
という事がわかりました。
ただし、
唾液が完全に乾いてる状態や、
アルコール消毒前に手洗いをしているなら
アルコール消毒は有効とのこと!
つまりアルコール消毒自体は
インフルエンザ対策にとって完全に有効とはいい難いという結果であり、
手洗い(石鹸ならなおよし)をしっかりすること
の優先度の方が遥かに高い
という訳です。
アルコールのポンプにウィルスが付着している可能性を考えますと、
しっかりとした手洗いを心掛けたほうが良さそうですね。