発酵食品で不健康になるケース(知っておきたいリスク)
みなさんは発酵食品は好きですか?
「発酵食品は体にいい」
はもはや常識となりつつありますね。
しかし、
最近そういった健康食品が
人体に害を及ぼすケースがある
ということが最近報告されました。
発表:2019年
機関:ウェストミンスター大学
そんな訳で今回のお話は
発酵食品を食べて不健康になる場合
です。
健康的に発酵食品を利用できるように、
知っておいたほうがいいですね。
発酵食品の圧倒的なメリット
以前の記事で
・チーズやヨーグルト
・納豆
・キムチ
・味噌や醤油
などの発酵食品は、
科学的にも健康に欠かせないという話をしました。
発酵食品によって期待できるのは
①腸壁の保護(リーキーガット対策)
②メンタルヘルス効果
③美肌効果
④肥満予防
ですね。
個別の発酵食品で言えば
高血圧・コレステロール対策や
免疫効果上昇など様々にあります。
体の炎症を抑えるアンチエイジングフードとしても注目されています。
日本の味噌や納豆はデータが少なめですが、
チーズやキムチなんかは研究データも豊富なので、
調べてみても面白いでしょう。
発酵食品で体を壊す!?
いよいよ本題ですが、
食べ過ぎ
によって塩分過多や脂質過多になって不健康になるケースは除きます。
「チーズは腸内環境にいけど、チーズの脂質は摂り過ぎると肌荒れを起こすよ」
という話を以前にしましたね。
そういった場合を除いた上で今回報告された、
体にいいはずの発酵食品で不健康になるケースを紹介します。
①腹部の膨満感
発酵食品に含まれるプロバイオティクスは腸内の有害な細菌を減少させてくれます。
しかし、それらの細菌を殺した際に過剰なガスが生成されてしまいます。
このガスが腹部に圧迫感を与え、人によっては深刻な腹痛となる場合があるのです。
今回の報告だと、昆布茶を飲んだ時にこういった減少が多く報告されたようです。
②頭痛
チーズやワイン、ヨーグルトにキムチなど多くの発酵食品に含まれているヒスタミンやチラミンなどのアミン類が神経系に作用し、
頭痛の原因となる場合があります。
これについては日本の東京健康安全研究センターも
http://www.tokyo-eiken.go.jp/assets/issue/journal/2004/pdf/55-2.pdf
アミン類の毒性について報告しています。
偏頭痛に悩んでいる人は、
普段食べている発酵食品をしばらく控えて様子を見るのもありでしょう。
③ヒスタミン不耐性
アミン類の中でも、
人によってはこのヒスタミンへの耐性が低いために喘息・低血圧・循環不全などを引き起こしてしまう人がいます。
ヒスタミンは食品の鮮度が下がったときに増える物質で、
古い魚を食べると蕁麻疹が出てしまう人はこの耐性が低い場合があります。
④食中毒
発酵食品に含まれる有機酸やアルコールは天然の防腐剤として機能します。
しかし、保管状態次第では有害な細菌が入り込んで食中毒が発生することは少なくありません。
最近だと2013年と2014年に韓国の給食で出されたキムチによる集団食中毒が起きていますね。
⑤プロバイオティクスによる症状
2017年に乳酸菌が原因で菌血症と肝膿瘍かかったという報告がされており、
妊娠中・授乳中の女性や免疫力が低下している人、高齢者は発酵食品を控えるべきだという声が出ています。
やはり乳製品に関しては、発酵食品であっても注意したほうがいいでしょう。
⑥薬剤耐性菌の発生
抗生物質耐性が母親の細菌から赤ん坊に受け継がれてしまうことを示唆したもの。
有害な細菌に強い耐性がついて赤ちゃんに受け継がれてしまうのは怖いですね。
<まとめ>
今回は以上です。ざっとまとめると
・頭痛・腹痛の原因として疑ってみる
・自分の体調に合わせた適度な量
・体調が悪い時や妊娠中はある程度控える
といったところでしょうか。
今回の報告を行ったマナル・モハメッド氏は
「発酵食品のメリットは様々だが、そのメリットを受けられない人もいる」
「多くの人は発酵食品を食べても問題ないが、中には深刻な健康被害を受ける人もいる」と述べています。
健康な食品だと過信せず、
自分の体調やコンディションに気を配りながら、
発酵食品を楽しんでいきたいですね。