国内データで見るお酒の発がん性
私が最近ほとんど飲まなくなったものにお酒があります。
単純に飲む機会が減ったというのもありますが、
お酒によるメリットよりもデメリットの方が多い
というのを気にしていたら飲みたくなくなっていきました。
今回お酒関係の研究を調べていると、
日本の研究でお酒の害について調べた報告があったので紹介します。
西洋人に比べて日系人の多くはお酒に弱く、その弊害も大きいんですよね。
日本人の研究データは非常に興味深いです。
そんな訳で
お酒は少量でも発がん性があるかも
というお話です。
<酒は百薬の長?>
昔は適度なお酒は体にいい
というのが一般的でした。
これには結構な統計データがあって
こちらのガイドラインによると
女性は1日グラス1杯、男性は1日グラス2杯なら、
心疾患リスクが下がるなんて言われていたようです。
しかしこのお酒によるメリットも、
その人が持っている遺伝子次第なんじゃないか
という報告が出されました。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25288221
これは心疾患患者618人と健常者を2921人を対象にした調査で、
酒の健康効果を得られる遺伝子を持つ人は20人に1人の割合とのこと。
お酒と健康の関係を調べたもので、
かなり信頼性が高いと思われるのがビクトリア大学の研究
https://www.jsad.com/doi/pdf/10.15288/jsad.2016.77.185
『アルコールと全死因死亡率の系統的レビューとメタ分析』
発表:2016年
対象:約400万人分のデータ
方法:87件の研究を元にした系統的レビュー
結論:
少量のアルコール摂取は死亡率に対するメリットは認められない
大量のアルコール摂取は死亡率を高める
というわけで、
少量のお酒は健康に良い
は否定されています。
やはりお酒に関しては、
好きな人でも趣味で少し飲む範囲にとどめておいたほうが良さそうです。
<少量の酒でも癌リスクが上がる>
今回報告された日本の研究では、
軽度から中程度のアルコールであっても、
がん発生率を高めることが報告されました。
発表年:2019年
対象:2005年~2016年にかけての33病院で集めた患者データ6万人分
結果:
お酒を完全に飲まない人の発がんリスクが最も低い
酒量が増えただけ、発がんリスクは高まる
という衝撃の報告です。
メカニズムとしては、
アルコールの分解で生まれた代謝物の影響で、
代謝循環機能が影響を受けてしまうようです。
こちらは日本人をサンプルにしたものなので、
覚えておいていいと思います。
私はまだしばらくお酒を飲まない生活を続ける予定です。