創造性や集中力は退屈から生まれる!?【授業が常に楽しい必要はない】

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<退屈と学習>

先日の『面白い授業の落とし穴』に関連する研究を見つけたのでご紹介します。

内容としては、

退屈こそが集中力と創造性を育てるのだ

というもの。

ちょっと面白そうですね。

 

<退屈は必要?>

今回の報告を行ったのはエディスコーワン教育大学のマンディ氏です。

彼は「退屈している子供を楽しませる必要はない」と言っているのです。

『退屈は子供にとってよいことです』

発表:2020年4月

 

人間にとっての退屈とは一時的な感情であり、

退屈している人においては

・不快感

・タスクへの興味の低下

・集中力の低下

などがみられるため、

学習・作業においては良くないこととされています。

2006年のペンシルベニア州立大学の研究では、

自分で選んだものに比べ、

人から与えられた課題については、

特に退屈を感じやすい

という報告がされました。

 

しかし退屈は必ずしも悪いものではないという報告も上がっています。

2006年ミュンヘン大学の研究において、

退屈なタスクを行ったあとの方が、

人はクリエイティブなアイデアを出しやすい

ということが示されました。

 

一方退屈を紛らわせるためにスマホなどをいじる人がいますが、

これは逆効果であると言われています。

なにかに熱中するのではなく浅く取り組むことは、

人が高い集中力を発揮する能力を下げてしまうようです。

この点は休憩時間の過ごし方で少しお話しましたね。

www.maru-rin.com

 

そんな訳で、子供の退屈を無理矢理に埋めようとする必要はないようです。

今回の報告でマンディ氏は

「子供が退屈している時に確認すべき6つのこと」

を示してくれました。

 

1.子供が空腹だったり、疲れていないか

一見退屈そうに見えますが、実はエネルギーが切れているだけの可能性があります。

無理に退屈を埋めようとすると余計に疲労が蓄積し、集中力を戻すのがより困難になります。

 

2.選択肢を用意するだけでいいかもしれない

ペンシルベニア大学の研究でも振れたように、

単純にコントロール感の喪失が無気力感、退屈感を生んでいる可能性があります。

その場合は簡単な選択肢を与えてあげることで、コントロール感を取り戻させてあげることが大切です。

 

3.退屈させていることに罪悪感を感じていないか

これは指導者や保護者側が単純に退屈を悪と決めてけていないかということです。

退屈という問題を自分自身で解決させることで、

子供の創造性や自主性を育てることが出来るという側面を理解しておきましょう。

 

4.退屈は変化への欲求だと子供に伝えることも大事

退屈が悪いだけのものではないことを子供に伝えることも重要です。

退屈と感じるということは、「変化が必要だ」と自分の心が感じるということです。

子供にアイデアを出させ、選択させ、責任を持つことを教えましょう。

 

5.困難にぶつかっているのではないのか?

これは子供が初めてのことに取り組む時によくぶつかるものです。

退屈しているのではなく、戸惑っている状態なので、

正しく始める方法を再度提示してあげましょう。

 

6.スマホなどの端末に集中力を奪われていないか

スマホなどのモバイルデバイスは私達の集中力を容易に奪っていきます。

これらに触れすぎていないか確認してみましょう。

 

<大人の学習でも同じ>

今回の研究は子供の保護者への提案でしたが、

これらは新しいことを学ぼうとしている大人にも適応できます。

もし自分が学習の中で退屈を感じている場合

・これは本当に退屈という感情か?【疲労や空腹の可能性】

・このタスクはもっと効率的に出来るのではないか?

・この退屈はアイデアを生んでくれるんじゃないか?

・スマホなどを触りすぎていないか?

・退屈しているのではなく、自分の理解が追いついていないのではないか?

とチェックしてみましょう。

 

 

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