砂糖は何グラムまでなら食べてもよいのか~男女で違う砂糖の適量~
さて、昨日
『糖質が脳に良いというのは本当か?』
という記事を書きました。
研究結果からみるに炭水化物は
・気分向上効果はなく
・疲労感増加、集中力低下を招く
という内容でした。
そこで今回は
・砂糖は脳にどんな影響を与えるの?
・どれくらいの量なら食べても脳に悪影響がない?
という部分を掘り下げていこうと思います。
参考はこちらのブログから
パレオな男さん
https://yuchrszk.blogspot.com/2017/08/blog-post_4.html
<砂糖とは何か>
まず砂糖ですが、
一般に多用されるいわゆる
白砂糖の主な成分はスクロース(ショ糖)です。
他にも
・ブドウ糖
・果糖
・乳糖
・デンプン
・高果糖コーンシロップ
・果汁
・蜂蜜
などの全てが砂糖の仲間に分類されます。
お菓子やデザートに含まれるだけでなく、
市販の
ドライフルーツ
ヨーグルト(プレーンでないもの)
トマトソース
などにもしっかりと含まれています。
<砂糖が体に与える影響>
それでは砂糖が含まれる食品を摂取すると
体にどんな影響があるのか見ていきましょう。
①舌に触れる
まずは舌の甘味受容体を活性化させます。
これが脳幹に信号を送り、脳の報酬系が活性化させます。
これが大脳皮質の「もっと食べたい」という潜在的感情をコントロールし、
一時的な幸福感を発生させるのです。
②胃を通って腸に達する
そして胃で消化された糖分は、
腸内の甘味受容体を刺激します。
こうなると余分に摂取した糖分を抑えるために、
脳内でインスリンが生成させます。
このとき、インスリンと同時にドーパミン(快楽を感じる物質)が生成されるのです。
③依存性
この報酬系が刺激される現象が
・人付き合い
・性的な行為
・薬物
などでも起こるため、
「砂糖は痲薬と同じだ」
なんて言われることがあるんですね。
アルコール・ニコチン・ヘロインなどは
このドーパミンを過剰に分泌させ、
常に中毒状態を起こさせている。
砂糖はここまでではないと言われています。
<砂糖の依存性について調べた研究>
砂糖による肥満・依存性との関係を調べた研究がこちらです。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28330706
年代:2017年
機関:マーストリヒト大学
対象:1495人の学生
これから分かったことは
・95%の学生は何らかの食品に依存した経験がある
・依存しやすい食品として最も多いのは
砂糖と脂肪が組み合わさったもの
・砂糖だけの食品に依存を起こすケースは少ない
という点です。
つまり単純に
「砂糖を食べると依存する」
というわけでは無い
ようですね。
<脳へ悪影響を与える分量を計った研究>
お待たせしました。糖分摂取量とメンタルの関係を調べた研究です。
https://www.nature.com/articles/s41598-017-05649-7
機関:ロンドン大学
データ:Whitehall II(1980年台から続く健康データ23245人分)
期間:22年分
分析対象:男性約5000人、女性約2000人
結果分かったことは
・女性は糖分と精神疾患的要因との相関関係は見つからなかった
・男性は1日67g以上砂糖を取る人は、
40g(平均値)以下の人に比べて鬱病の発生率が23%も高かった。
なんと、
男女で砂糖がメンタルに与える影響が違う
という結果だったんですね。
一応男性の方は、
この砂糖67gというラインを覚えて、
一日の食生活を振り返ってみることをオススメします。
<参考>…含まれる砂糖の量
・コカコーラ500ml…60g
・オレンジジュース500ml…50g
・あんぱん…30g
・バナナ…18g
気になった人は本などで調べてみてもいいかも
『目で見る食品糖質量ハンドブック』
<大切なのはバランスの良い食事>
さて、ここまで砂糖の脳への影響を取り上げてきました。
女性は砂糖をとっても
メンタルに悪影響がない
というのは、
なかなかに面白い報告だったと思います。
男性のケースであっても、
砂糖自体がメンタルに直接悪影響を与えるという単純なものではないようですね。
(ついでに、砂糖自体が直接肥満に結びつくわけでもない模様)
実はドーパミンを無条件で分泌させる特定の食品というのはとても少なく、
砂糖以外には私達の身近にあまりありません。
しかし、
バランスの摂れた食事をとると、
糖分を過剰に摂らなくても
ドーパミン分泌量が上昇する
ことが分かっています。
しかし、
同じ食事だけが続くとドーパミン分泌量は下がってしまいます。
それなのに砂糖は食べ続けてもドーパミン分泌を下げません。
さらに食べ続けていると砂糖に耐性ができるため、
より多くの砂糖を求めてしまいます。
何も考えずに偏った食生活を送っていると、
ついつい砂糖を求めてしまうことは自然な流れと言えるでしょう。
「これを食べなければ大丈夫」
「これを食べていれば大丈夫」
という偏った考え方を持つのではなく、
変化をもたせたバランスの良い食事を心がけるのが、
現状科学的に最も正しい食生活と言えるでしょう。