証明された『無知の知』の価値(知的謙遜とは)

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<科学的に証明された『無知の知』の価値>

先日メンタリストDaigoさんが会員限定放送

『知的謙遜』ついての話をされていました。

これについてはもともと彼の本の中で紹介されていたので、

思い出した人も多いのではないでしょうか。

 

メンタリストDaiGoさんの動画はこちら

https://www.nicovideo.jp/watch/1571241003

Googleが最重要視するチカラ【知的謙遜入門】最強の判断力と知的成長を手に入れる方法』

よくまとまっていて面白かったので、

気になった人は入会してみてもいいでしょう。

 

とはいえ知的謙遜は

2017年頃から色んな所で報告されて出しました。

https://yuchrszk.blogspot.com/2017/12/blog-post_6.html

パレオな男

 

https://gigazine.net/news/20190501-links-between-humility-knowledge/

Gigazineでも取り上げられていますので、

興味がある人はこちらを読んでみるのもいいでしょう。

 

知的謙遜とは

「間違いは起こるものである」

「自分の知識は限られている」

ということを冷静かつ肯定的に受け入れられることです。

いわゆる無知の知ですね。

そして

このレベルが高いほど

・新しい経験にオープンになる
・成長速度が上がる
・忍耐力が高まる
・ミスが減る

ということが言われています。

心理学的には

成長マインドセット

の概念に近いですね。

 

この知的謙遜のレベルはGoogleの採用基準でも重要視されているようです。

そんな感じで今回は知的謙遜について学んでいきましょう。

 

<『知的謙遜』に関するペパーダイン大学の研究>

 代表的な研究は、

アメリカのペパーダイン大学の心理学者であるエリザベス・クラムレイ・マンカソ氏らの研究です。

知的謙遜は英語だと「intellectual humility」となり、ここで大々的に発表されました。ちなみに知的謙遜の対極にあるのが「intellectual overconfidence(知的過信/自信過剰)」という概念ですね。

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/17439760.2019.1579359

https://blogs.cardiff.ac.uk/openfordebate/2019/01/28/intellectual-humility-from-views-of-knowledge-to-views-of-people/

対象:1200人

内容:知的謙遜と学習の関係を調べる5つの実験・研究

結果:

 

知的謙遜レベルが高い人ほど

 一般知識が多い

 違う意見から学ぶことが出来る

 知的発達のスピードが速い

 

といったものです。

ただし

知的な謙虚さと認知能力の間に関連性はない

という驚くべき結果もデています。

すなわち

潜在的な頭の良さとは関係ない

ということでして

 

逆に考えれば

鍛えることが出来る

ということですね。

(この方法についてはまたの機会に)

 

デューク大学の研究>

2017年に出された論文では、

知的謙遜と判断力の関係について報告がされています。

https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/0146167217697695

これらは3つの実験から構成されているようです。


①知的謙遜尺度というものを使ったパーソナル実験

 知的謙遜尺度で参加者がどれだけ「自分の知識の限界を知っているか」を判定する。

 それを好奇心などのパーソナリティ特性とくらべる。

 

②極論を述べているエッセイを読み、書き手の性格を予想させる。

 エッセイの内容と書き手の人格を切り離すことが出来るのか調べる。


③健康に関する肯定派と否定派の議論(ディスカッション)を見学させて意見を述べさせる。

 どちらの方が根拠を元に議論を展開していたかを判定してもらう。

 

この結果

・思い込みにに左右されずに判断できる

・忍耐力・好奇心・中立性が高い

・極論の人に対しても合理的に判断できる

 

ということが明らかになりました。

知的謙遜のレベルが高いと、

思い込みや感情に振り回されずに正しく判断できるようです。

 

<メリットだけではない(?)知的謙遜>

ここまでいいこと尽くめの知的謙遜ですが、

 ペパーダイン大学の論文では、

知的謙遜の高さは成績評価(GPA)の低さと関係していることも報告されています。

これについては

「人は偏見がない人を受け入れる傾向にあるが、一方で自分の意見に確信を持っていない人を『信念を保たない人・弱い人』と捉える傾向にある。このような社会的要因が知的謙遜レベルが高い人の自己評価を下げ、社会的評価を下げる要因になっているのだろう。」

という意見が出されています。

雑に言うと

自信満々の人の方が評価されやすい

といった感じでしょうか。

この辺りの分析は非常にアメリカっぽいですね。

個人的には日本の社会としてはこの傾向は薄そうですが、

社会的要因に影響されるという点も覚えておき、

それを加味して自己プロデュースしていきましょう。

 

<知的謙遜レベルを高めよう>

そんなわけで、

注意点はあるものの知的謙遜レベルは高くしておきたいところですね。

具体的な測定や鍛え方の話なんかは次回として、

 

ざっくりしたポイントだと
・自分の感情と判断を切り離せるか


・新たな根拠が示された時、自分の意見を変えられるか


・自分と違う他人の考え方や視点を尊重できるか


・自分の知識に過剰な自信を持ってしまっていないか

 

をチェックしてみましょう。

定期的に

「自分は出来ているかな?」

と振り返るようにするだけで、

知的謙遜レベルは上がります。

 

他のオススメとしては、

バイアス(思い込み)について知ること。

が効果的です。

人は様々な思い込みによって左右され、

正しい判断が出来なくなることが多々あります。

 

https://www.scientificamerican.com/article/why-do-smart-people-do-foolish-things/

『賢い人が愚かなことをする理由』

カリフォルニア州立大学の研究ですが、

どれだけ頭が良い人でも

知性に関係なく思い込みに支配されて

間違った判断をしてしまう

ことが明らかになっています。

例えば

ダーニングクルーガー効果

これは能力の低い人物が自らの容姿や発言・行動などについて、

実際よりも高い評価を行ってしまうというもの。

 

こんな感じで判断力を狂わせてしまうものを

認知バイアスというのですが、

こういうものがいくつもあります。

 

 そして

その思い込みについて知るだけでも

バイアスに惑わされにくくなるということです。

 

 

以前に記事にしたこともあるので、

興味のある方はどうぞ。

また、

断然オススメなのが

メンタリストDaiGoさんも大絶賛のこの本です。

心理学の本ですが、

 人間の行動はこんなに簡単にいいようにされてしまうのかと衝撃を受けます。

 

以上です。

知的謙遜については成長マインドセットに通じるものがありますし、

こうやって定期的に振り返る機会を作っていきたいですね。

 

 

 

 

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