犬を飼うと幸せになれる!?(アニマルセラピーの効果)
<アニマルセラピーの効果と事例報告>
以前
アニマルセラピーの効果が科学的に認められた
という研究論文を紹介しましたが、
動物と触れ合うことで、
オキシトシンが分泌され、
コレチゾール値が下がる。
幸福感とストレス軽減
につながるという内容でした。
今回は、
犬を飼うことによる孤独感の軽減
についての事例が報告されていたので今回はご紹介します。
<犬と人間>
人間は数万年前から犬と一緒に生活しています。
今回シドニー大学は
「犬が精神的健康を向上させるか?」という点を確かめるために
新しく犬を飼い始めた人と犬を飼っていない人を比べる実験を行いました。
https://bmcpublichealth.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12889-019-7770-5
『犬と精神的健康』
機関:シドニー大学の研究チーム
発表:2019年
対象:71人(96人から選抜)
期間:8ヶ月間の対照研究
内容:3グループの比較
研究を見る限り、サンプル対象者の選定などはかなり細かく行っているようですね。
実験の目的にコミットしている(一貫性がある)のが面白かったので、
紹介しておきましょう。
<研究の徹底具合>
シドニー大学のあるオーストラリアではなんと40%の世帯が犬を飼っているといわれており、ほとんどの飼い主は幸福になっていると感じていたそうです。
過去に行われた実験では
犬を飼っている人と飼っていない人の幸福感の比較
が報告されましたが、
それは
・飼い始めたことにより得た幸福感とは言えない
・幸福な人が犬を飼いたくなる可能性を排除できない
と言われてきました。
そこで研究グループは今回
「犬を飼いたいと考えており、実験開始から1カ月以内に犬を飼い始めるグループ」
「犬を飼いたいと考えているが、実験期間終了まで犬を飼わないことに同意したグループ」
「犬を飼うことには興味がないグループ」
に分けて実験を行ったのです。
徹底していますね。
結果として犬を飼い始めたグループは
飼い始めた後に孤独感が減少することが判明し、
その効果は実験が終了する8ヶ月後まで続いた
ということでした。
備考として、
この実験では犬を飼うことになった被験者は全て偶然女性だった点、
犬の散歩などで二次的に近所の知り合いと交流することになった影響、
などが挙げられています。
この点を補足してくれる報告に期待したいですね。
<まとめ>
今回の研究では
犬を飼い始めることが孤独感の軽減につながる
ことが示唆されました。
精神的健康は様々な要因の影響を受けますが、
アニマルセラピーによる効果については、
ある程度信頼してもよさそうです。
今後も研究が進んでいってほしいですね。